逸材台頭!リベンジ成功!鹿実、宿敵撃破し4回戦進出!!!

震えました……

 

第144回九州地区高校野球大会 鹿児島県予選

3回戦

鹿実 011 100 110=5 H10 E1

城西 000 000 040=4 H5 E5

【投手】

[実]高田–玉田

[城]八方、小峯–田代翔

【長打】

二=笹山(実)、多和田(城)

 

【試合経過】

共に2年生右腕が先発のマウンドに上がった一戦。鹿実は城西先発八方を攻め立て、2回に8番玉田、3回に4番吉木のタイムリー、3回には2番笹山のスクイズで効果的に得点を重ねると、2番手小峯からもバックのミスに乗じて追加点を奪う終始優位な展開。

投げては公式戦初先発の高田が7回まで2安打無失点の好投。立ち上がりこそ制球に苦しむが、キレの良い速球と要所での強気の内角責めで城西打線を翻弄し、大一番での抜擢に応えた。

劣勢の城西も8回に意地を見せ、一挙4得点の猛攻で1点差に詰め寄るが反撃もここまで。

最終回の守りも3人で締めた鹿実が昨秋のリベンジマッチを制し4回戦にコマを進めた。

 

戦士の魂が躍動

いやあ、本当に素晴らしいゲームでした。

新チームから誰よりも指揮官の叱責を受け続けた4番の泥臭いタイムリー、ここぞで見せた内外野の好守、ジワジワと相手投手を追い詰める粘り強い攻め、そしてついに頭角を現した期待の逸材の好投………

一つ一つのプレーに、燃えるような魂を感じた気がしました。これこそが鹿実の野球です。これがあるから、私は鹿実ファンをやめられないんです。新チーム以降のベストゲームと言って良いでしょう。

 

さて、今日の試合を振り返るとします。

まずはなんと言っても先発高田投手でしょう。この起用には驚きました。宮下監督がここ数年、強豪校相手に下級生投手を先発させた例はほとんど無かったので。

立ち上がりの投球は正直言って不安を抱きました。簡単に四球を許すし、リズムも良くない。緊張なのかどこかフワフワした投球に感じました。ただ、そこをバックはよく盛りたてたと思います。今日は内外野とも好守が光りました。

高田投手はアウトを重ねる毎に躍動感が出てきて、中盤以降の立ち振る舞いは堂々たるものでしたね。

ピンチを迎えた時ほど良い球が行くところや、要所で内角を厳しく突く度胸。やはり期待されるだけのものがあります。

今後、相手チームに研究され対策を練られるのは間違いないはずで、これからが大変だとは思いますが、とりあえずは結果を残した事に対して自信を持って貰いたいものです。

 

そして、下級生の頑張りを支えた上級生野手陣の活躍も見事でした。

今日は初戦のような長打攻勢は影を潜めましたが、逆に鹿実らしい泥臭く粘り強い攻めを展開できたと思います。

個人的には4番吉木選手のタイムリーが嬉しかったですね。決して良い当たりではありませんでしたが、貴重な追加点をしぶといバッティングでもぎ取ってくれました。これで次戦以降も当たりが出てくれるといいですね。

終盤には苦しい場面も作りましたが、一点差に迫られた場面でも選手たちに焦りの表情は見えなかったです。ここに大きな成長を感じました。

それでも9回表に追加点を奪えず1点差のまま迎えた裏の守りは流石に「先頭出たらヤバイかも」と思いましたけどね(汗)

ただ、それを杞憂に終わらせてくれたのがショート折田くんのファインプレーでした。三遊間寄りのヒット性の当たりに飛びつき、素早く一塁に送球。あれで9割方勝利を確信しました。

とにかく全員で掴んだ勝利と言って良いでしょう。誰がヒーローではなく、全員がヒーローでした。

あの秋の敗戦から、厳しい冬を乗り越え、良くぞここまでのチームを作り上げてくれました。その成長の証を、これ以上ない結果で形にしてくれたと思います。

ここを負けたらNHK旗出場やシード入りも危ぶまれただけに、とにかくに勝てて良かった、本当に良かった……

 

………と、喜びに浸ってばかりはいられません。まだベスト16に入っただけですし、目標は夏の頂点ですから。まだまだ試練はつづきます。ただ、一応これで昨年の甲子園初戦敗退から続く悪い流れを断ち切れたのは間違いないはず。

ここからは前を見て進むだけ。これまで通り一歩一歩着実に成長していくことを、ファンとしては何より願います。このチームはまだまだ強くなれると確信していますから。

 

決して「谷間の世代」なんかじゃない。それを結果で証明し続けて欲しいです。

鹿実、コールド発進!!本年初戦観戦レポート

と、銘打ちましたが、昨日ほ実は球場に遅れて到着したので初回の攻撃だけ丸々見れていないです……

というか、こういうのは早めにアップしなきゃいけませんよね(−_−;)すみませんm(_ _)m

 

第144回九州地区高校野球大会 鹿児島県予選

2回戦

鹿   実 710 001 2=11 H17 E1

伊集院 000 012 0=3  H6   E2

【投手】

[鹿]福留–玉田

[伊]佐々木、小島颯、家村–瀬戸口

【長打】

本=玉田、川口(鹿)

二=川口、笹山、福留

 

【試合経過】鹿実がプレイボール直後から猛攻を仕掛け、序盤からゲームを支配する。

上位打線の連打と相手守備の失策、さらには9番玉田の三点本塁打も飛び出し一挙7点のビッグイニング。3回、4回、5回はチャンスを作りながら無得点に終わったが、中盤には川口のソロ本塁打、代打原口の適時打で突き放し、終わってみれば17安打11得点。

守りではエース福留が持ち前の制球が定らずやや苦しい投球となったものの、最終的には7回3失点で試合をまとめ、7回コールドで三回戦進出を決めた。

 

確かな成長

今年最初の公式戦を快勝で飾った鹿実ですが、もちろんここで浮かれる訳にはいきません。何せ、次の相手は去年秋に敗れた城西。間違いなく強敵ですし、何よりここで負けてしまうとNHK旗出場と夏のシード入りが絶望的になりますから、絶対に落とせない試合です。

ただ、甲子園帰りで準備不足な感があった秋と比べ、ひと冬越えてチームは着実に成長を遂げてるのは間違いありません。特に打線はスイングの力強さ、打球の鋭さが明らかに増していました。

ホームランのシーンこそ見逃してしまいましたが、9番の玉田選手は昨年と比べ見違えるほど振りが良くなっていました。このまま彼が恐怖の9番打者として活躍してくれたら、本当の意味で切れ目のない打線が形成出来そうです。また、捕手としても課題だった送球に強さ、正確さが備わってきた印象でした。ここ数年絶対的正捕手の不在が懸案事項だっただけに、彼にはこのままチームの信頼を勝ち取ってほしいところです。

そして誰よりも見張ったのが、この試合3番に座った川口選手。どんな球でも強く振って行く姿勢と、広角に打ち分けることの出来る懐の深さ、捕らえた打球の質。全ての面で群を抜いていました。

元々良い打者だとは思ってましたが、ここまでの打者に成長するとは思いませんでした。左打者が多く並ぶ鹿実にとっては、彼のような右の強打者は非常に貴重な戦力です。好投手が相手となる城西戦でもどんな活躍を見せてくれるか非常に楽しみですね。

 

次戦へ、そして今後の課題

一方、いくつかの課題や気になる部分もありました。

一つはチャンスを作ったうえできっちり返すという「鹿実らしい堅実な野球」の精度です。17安打に対して11点が示す通り、もっと得点できる試合でした。バントをリズムよく一発で決められないシーンもあり、この部分についてはまだまだ詰めていく必要がありそうです。

気になった点としては、エース福留投手の四死球の多さでしょうか。元々制球が持ち味の投手でしたが、この日は先頭打者への四球や押し出しの四球、そしてカウントが悪くなった際の甘い球を打たれる、一人の打者に対し多くの球数を要する……など、内容的には彼本来の投球にはほど遠いものでした。

フォームも秋からやや変わっており、まだまだ試行錯誤してる部分もあるのだと思います。

ただ、マウンド捌きは堂々としたものがあり、崩れかけても要所はキッチリ締めるところは流石エースといったところでした。この日の反省も踏まえ、次戦は更にいい投球を期待したいですね。

城西だけでなく、鹿児島には左の好打者を揃えるチームが多いので、甲子園出場のためにはサウスポーである福留投手の好投が必須。そのためにも相方である玉田捕手とのコンビネーションや、バックが守備で盛り立ていくことも大切です。

個々の力以上に、チーム全体の総合力で相手を凌駕する。そんなチームを作り上げて行ってほしいです。それこそが鹿実野球の目指すものですから。

 

昨日より今日、今日より明日

今年の3年生は下級生時代から試合経験を積んだ選手が少ない事、また新人戦や秋季大会で早期敗退した事から、一般的には低い評価を下されているのも事実です。実際昨年のエース吉村投手、不動の4番西選手といったタレントはいません。

それでも、私は秋から一貫してこのチームが弱いと思ったことは一度も有りません。

むしろ成長次第で昨年以上のチームになることも十分可能だとも思っているくらいです。

そのためにもまずは対戦相手以上に、まず己の内なるものに打ち克って欲しい。昨日の自分を超え、1日1日成長して行って、それを自分自身で評価できるか。その積み重ねが自信となってゆくものです。

秋と比べても、このチームは着実に前進しています。先日の試合では技術面や体力面はもちろん、チーム全体が半年前よりもエネルギッシュになっていると感じました。この歩みが今後も続いていけば、2年連続の甲子園も見えてくるはずです。

そのためにも、明日の城西戦は非常重要な一戦です。簡単に勝たせてくれる相手ではないのは間違いないですが、あの敗退から始まった長い冬の積み重ねを全てぶつけるつもりで戦って欲しいです。

秋のリベンジを期待して、私も心から声援を贈ろうと思います。

 

進め。前進せよ、鹿実野球部。この歩みを止めるな。

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昨年は100回記念の選手権、そして創部100周年を見事甲子園出場という形で飾った鹿実野球部。

今年は101回目の夏へ向け、101代目の選手たちの戦いが始まろうとしています。

 

とはいっても、周囲の期待度や温度感は、昨年ほど高まってきていない印象です。

「去年のメンバーと比べたら、今年は……」「レギュラーも全員入れ替わったし、秋も結果出せなかったしなあ……」「去年甲子園行けたし、鹿実はしばらくいいでしょ……」

空気感としては、こんな感じでしょうか。

 

冗談じゃない。

とんでもない。

 

昨年秋のエントリーでも述べましたが、私は今年の鹿実が弱いチームとは決して思っていません。

内容は完敗でしたが、秋の敗戦は優勝した神村と紙一重の戦いを演じた城西相手の僅差の試合。メンバーが入れ替わったとはいえ、個々の能力は昨年の先輩たちと比べて大きく劣っているわけではありません。足りないのはチームとしての成熟度。これから埋めて行く部分です。

何より、昨年甲子園に行ったとは言え彼らにとっては一生に一度の高校最後の夏、特別な年なのです。無関係なファンは時々「◯◯が勝ちすぎて面白くないから、そろそろ負けて欲しい」などと残酷な事を口走りますが、彼ら高校球児はいつだって負けたら終わりの明日なき戦いに挑んでいます。

だからこそ、私は今年も鹿実野球部に栄冠を手にして欲しいと願います。今年は昨年味わえなかった、甲子園での勝利の歓びを感じてほしい。

 

しかし、現実に目を向けたらそう簡単に事が運ばないのもまた事実。鹿児島大会の連覇は2012年の神村が最後で、鹿実も98年の三連覇以来連続出場を果たせていません。

ライバルとの力関係を客観的に分析してみても、現時点では神村、城西、鹿屋中央あたりが先を行っているのは認めなければなりません。これをひっくり返すのは至難の業。

さらに、鹿実野球部自身が乗り越えないといけない壁もあります。高校野球に限らず団体競技では良く「結果が出ている時は良いが、いざ勝てなくなると自分たち自身の力、スタイルを信じる事が出来なくなる」という負のスパイラルがあると言われています。昨年新人戦、秋県大会、一年生大会と結果を出せなかったダメージは、決して小さくてはないでしょう。

おそらく、昨年以上に難しい戦いを強いられる事になるはずです。

 

それでも、私は鹿実野球の持つ可能性を信じています。

なぜなら、鹿実野球部は過去幾多の逆境を跳ね除けて来た実績があるからです。

創立100周年を飾った4年前の甲子園出場も、チームのスタートは神村戦のコールド負けからでした。レギュラーも全員入れ替わり、公式戦でも一度も決勝に進めなかったチーム。そんな世代が、何度も負けを重ねる度に強く逞しく成長していったのです。

昨年のチームだって、春の樟南戦のコールド負けを見た時は「夏は厳しいかな」と思ったものでした。そこからのチームの成長は語るまでもないでしょう。その先輩たちの背中を真近で見てきた世代。負けっぱなしのまま、ただで終わる訳が有りません。少なくとも私はそう信じています。

 

だから……と言ってしまったらファンのエゴになってしまいますが……

彼らには、自分を自分たちを、仲間を信じて戦えるチームとなって欲しい。ヒット数で勝ろうが、ノーエラーで試合をまとめようが、たったひとつのプレーをきっかけ敗れてしまう事もあり得るのが高校野球。そんな戦いの中、強い拠り所となるのは自らを信じる力。決して妄信するのではなく、純粋に己が力を信じる力。それさえ手にできれば、このチームはガラッと変わるはず。

そのための日々の厳しい練習であり、寮生活であると。

 

過去の先輩たちは、皆乗り越えて来ました。乗り越えた先輩たちは皆、誇らしく思い出を語ります。

君たちも、いずれそうなってほしい。

 

頑張れ、101代目の戦士たち。私は君たちの戦い様を、可能な限り見届けたいと思います。

 

戦士の魂を継承して

今年、2人の偉大なる鹿実OBプロ野球選手が、現役選手生活のピリオドを打ちました。

杉内俊哉投手に本多雄一内野手

私自身、このお二方はプロ入り後の活躍はもちろん、鹿実時代からずっとその姿を見てきました。

高校時代はなんと言ってもあの甲子園でのノーヒットノーラン。当時野球に興味を持ち始めた私にとって、初めてリアルタイムで体感するノーヒットノーランでした。「鹿実のエースが全国の舞台で凄い事をやってのけたんだ!」と子供心に誇らしかった記憶があります。プロ入り後とは違うワインドアップの投球フォームもかっこよかったですね。

社会人を経てのプロ入り後は曲がりの大きなスライダーと「2回空振りする」と言われるチェンジアップ、そしてキャッチボールのような脱力したフォームに惑わされ打者が差し込まれる速球。これらの球種を武器に、全盛期はダルビッシュ投手や松坂投手といった豪腕投手たちをも凌ぐ勢いで奪三振の山を築きました。決して恵まれた体格とは言えないあの身体で、プロの世界の猛者たちと渡り合うその戦いぶりは痛快でした。マウンド上では淡々としているようで、内に熱い闘志を秘めていたのも杉内投手の魅力。打たれた試合で悔しさのあまりにベンチの椅子を殴り利き腕を骨折させてしまうほど(決して褒められた行動ではありませんが……)マウンド上で眉毛をキリリと釣り上げ「絶対打たせるものか」と言わんばかりの表情、あの佇まい……もう見られなくなるのかと思うと、やはり寂しいです。

闘志という点では、本多選手もまた負けない熱いハートを持った男でした。普段は周囲を明るくする笑顔が目立ちますが、鹿実時代は小さな身体から溢れんばかりの闘争心でチームを引っ張るキャプテンでした。当時の鹿児島は二強体制から樟南一強に傾いていた時代。試合後のインタビューでは常に「樟南を倒して甲子園に行く」と、チームに発破をかけるコメントを残していたのが印象的でした。俊足巧打のイメージが強い選手ですが、高校時代は一番打者ながら一発もよく打っていた記憶があります。残念ながら甲子園には届きませんでしたが、久保監督最後の代の主将を立派に勤めていました。

卒業後は大野城ガッツの先輩杉内投手と同様社会人に進んだ後にプロ入り。ホークスでは鹿児島工出身の「宗リン」こと川崎宗則選手と二遊間を組み、鹿児島の野球ファンも熱狂させてくれました。俊足と華麗な二塁守備を売りに盗塁王ゴールデングラブとタイトルを獲得し、2013年には杉内投手と共に侍ジャパンの一員としてWBCを戦いました。数年前までバリバリレギュラーで活躍していただけに「まだまだやれるのでは?」と思ってしまいますが、近年は故障で出場機会が減っていたのも事実。それを踏まえての判断だったのでしょう。

お二方とも長く過酷な現役生活、本当にお疲れ様でした。たくさんの夢と感動をありがとうございます。

 

さて、今回の記事でお伝えしたい内容はここから。

杉内投手が引退会見で語った事で深く印象に残ったのが、「一軍で戦うチームメイトや後輩を心から応援している自分がいたことに気がついた。勝負師として、それは違うのではないか」と言ったことです。チームメイトを応援する。それ自体はなんらおかしくない当然の事。ですが、ここ数年の杉内投手は故障の影響で満足な投球すら出来ない日々が殆ど。早く投げたい、でもまずは怪我を治さないといけない……そういった不安や葛藤の毎日だったのでしょう。上述した通り、杉内投手は生粋の負けず嫌いです。かつて杉内投手は「自分はナンバーワンになった事のない投手。同世代や周りには常に自分よりも良い投手がいた。でもそんな凄い投手に負けたくないという思いを常に持って投げてきた」と話していました。確かに高校時代は川内の木佐貫洋投手が、甲子園では怪物松坂大輔投手がライバルとして立ち塞がり、そしてプロでもチームメイトに斉藤和巳投手、和田毅投手など錚々たる面々と凌ぎを削ってきました。チームメイトだろうと、対戦相手だろうと、他の投手に負けたくない。その闘争心こそが、杉内俊哉という男の支えであり原動力だった、と……

近年の杉内投手は、リハビリの合間に巨人の若手投手たちに積極的にアドバイスを送っていました。今季ブレイクした今村投手も、少なからず影響を受けた一人です。自分がアドバイスを送った若手が成長し、結果を残すことに喜びを感じる反面、自分自身を支えていた「他の投手に負けたくない」と言う気持ちが薄れていったのだと感じたのでしょう。引退を決意した理由まで、この人らしいですね。

そして、この杉内投手の言葉は、鹿実野球部の魂そのものだと私は思います。

鹿実野球部は100人近い大所帯で、長時間のハードトレーニングの中から競争を勝ち抜いた選手だけが試合に出る事を許されます。指導者からは一昔前の高校野球のように厳しい罵声が容赦なく浴びせられ、練習試合でも不甲斐ないプレーをしたら、直後にはさらなるハードトレーニングが課せられます。見る人によっては時代に合わない、非合理的なやり方だというでしょう。少子化で一人っ子が増えた現代の子供たちには合わない、とも。

ただ、ここの野球で培われるものは「負けてたまるか」「今に見てろよ」という反骨心と、様々な逆境でも力を発揮できる勝負師の心です。今年の100回記念の選手権と、3年前の学校創立100周年で甲子園を勝ち取ったのは偶然なんかじゃない。逆境やプレッシャーの中でこそ輝くのが鹿実野球だと、私は信じています。

彼らの鴨池球場での整列からグラウンド上での戦いぶりはまさに戦士の姿です。何処よりも揃った入場行進や礼といった集団行動と、グラウンド上での荒々しく逞しい立ち振る舞い。この姿は杉内投手が現役部員だった時から変わりません。この野球は全国でも唯一無二だと確信してます。そして、入部してくる選手の多くが「ここで野球をやりたい」「ここでしか出来ない野球部をやりたい」と思って毎年入部してきている。これはファンとしても非常にありがたいですし、何より親御さんや多くの方に鹿実野球が支持されている証拠です。

だからこそ、結果で応えて欲しい。私はいつか、この唯一無二の鹿実野球が全国一になる瞬間が来ると信じて、これからも応援し続けます。そして、これからも杉内投手や本多選手のような「勝負師の心」「戦士の魂」を受け継ぐ選手が育ってゆく軌跡を見守りたいです。

 

一年生大会初戦敗退……ここから這い上がれ!!!

前回のエントリーで私、こんな記事MBC旗争奪一年生大会、組み合わせ決定 - Bの魂を書いてましたが……

結果は鹿屋中央相手に、無念の初戦敗退……

 

私は試合を見る事は出来ませんでしたが、やはり簡単に勝たせてくれる相手ではありませんでしたね。

相手には秋決勝まで勝ち上がり九州大会も経験したという勢いもあったと思います。

 

逆に今の鹿実は、厳しい言い方をすれば勢いを失っているといえるかもしれません。

今夏甲子園を経験した多くのメンバーが卒部し、ほぼ一からのスタートとなった新チーム。

新人戦はライバル樟南にまさかの大逆転負けでシード権を逃し、秋は城西小峯投手にねじ伏せられ力負け。

期待された一年生大会は2年続けての初戦敗退。

悪い結果が続くと風当たりが強くなるのが名門の宿命ではありますが、これから突入する冬季練習はよりハードになることは間違いないでしょう。

 

ただ、常に良い流れが続かないように、悪い流れに陥るのもまた勝負事では避けられません。

最も大事なのは、結果が出ない時どう過ごすか。もっと言えば結果が出ようが出まいが、一日一日をいかに大事に過ごしていけるか。

野球以外の日常生活まで神経を注ぎ、それを野球に繋げる事こそ鹿実野球の真髄だと思います。 今は結果が出ず気落ちしてる選手も多いでしょう。ですが、どうか今取り組んでいることを信じて愚直に努力していって欲しいです。

 

今年甲子園に勝ち上がった三年生たちは公式戦で二度コールド負けを味わい、そこから這い上がりました。過去には前チームでレギュラー選手ゼロだった代が甲子園に出場したことだってあります。

 

敗北を乗り越えるのが、鹿実野球。

敗北を力に変えるのが、鹿実野球。

 

私はそう信じて応援してきました。これからだってそうです。

勢いを失ったなら、流れが悪いなら……それは自らの力で流れを作るしかない。

彼らがここから立ち直るのを信じて、そして来年には強く逞しくなった姿を見せてくれると信じて、私は春を待ちたいと思います。

 

 

鹿実球児よ、這い上がれ!

 

 

MBC旗争奪一年生大会、組み合わせ決定

今年最後の公式戦です。

 

https://www.mbc.co.jp/event/1nensei2018/

 

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九州大会出場を逃し久々の予選スタートとなったものの、二戦戦い共にコールド勝ちで本戦出場に漕ぎ着けた鹿実一年生チーム。

秋の悪い流れを断ち切るには、この大会で大きな結果が欲しいところですが………この組み合わせが決まった時は「嫌なブロックに入ったな」と思ったのが本音です(汗)

初戦の鹿屋中央は九州大会出場のシード枠だけではなく、実際に行われた大隅地区予選を勝ち上がって来た実力チーム。主力には山本監督の御子息で夏もレギュラーショートとして活躍した聖選手がいます。強敵となるのは間違いないでしょう。

ここを勝ち上がった場合見えて来るのは、鹿児島城西との秋のリベンジマッチ。秋の鹿実戦には登板しなかったものの、エース小峯投手と並び主戦級の活躍をしている八方投手や、大型右腕前野投手の存在が目を惹くチームです。

仮に対戦が実現した場合、一個上の先輩たちの分のリベンジもかかる試合。というのも、現2年生は昨年の一年生大会で、小峯投手らが主力の城西相手に屈辱のコールド負けを喫しています。

厳しい相手ですが、是非とも実現してほしいカードです。

とはいえ城西の初戦の相手大島も、秋エースナンバーを付けたサウスポー竹投手がいるため、こちらが勝ち上がる可能性も十分にありそう。私が見た試合では、この時期の一年生としては非常にキレのある球を投げてました。個人的に注目の投手です。

そして、更に勝ち進んだ先には……断言は出来ないものの、秋の県王者神村学園との一戦が見えて来ます。

エース中川投手や、主砲井上選手ら現時点で本チームの主力を張る一年生を擁する神村は、今大会の優勝候補と言っていいでしょう。既に一年生レベルを超越したチームとの戦いとなれば、これ以上ない経験値が得られるはず。なんとしても勝ち上がり、挑戦権を勝ち取って欲しいです。

 

今年の鹿実の一年生には非常に能力の高い選手が多いですが、一方で経験値や実戦力という点では課題が残るのも事実。既に2年生に混じってレギュラーを張る強豪チームの選手たちとぶつかる事で、より自分たちの課題や弱点を見つめ直し、克服するチャンスになるのではないでしょうか。

そう思えば、ある意味非常に良い組み合わせを引いたと言えるのではないでしょうか。冒頭の発言は撤回します(笑)

 

過去、この大会で結果を残し飛躍した選手達は数え切れません。過去の戦績を振り返っても、決勝に進出したチームが2年後に甲子園に出場した比率は非常に高いです。

鹿実の一年生たちにとって飛躍のきっかけとなり、それが上級生たちへの良い意味での刺激となるような……そんな大会となる事を、心から祈ってます。

 

実りの秋、収穫の秋で、長い冬に備えましょう!

 

センバツ絶望……鹿実野球部、4回戦敗退

残念‼︎厳しい戦いとは予想してましたが……

 

第143回九州地区高校野球大会 鹿児島県予選

4回戦 対 鹿児島城西

鹿実 000000 000=0 H3 E0

城西110 000 01X =3 H9 E1

[実]福留、高田、福留–玉田、重信、横峯

[城]小峯–田代翔

二塁打:川口(実)、松原(城)

 

城西は190㎝近い大型右腕・小峯投手、鹿実は170㎝と小柄なサウスポー福留投手という対象的な対決に。

初戦に引き続き好投を期待された福留投手でしたが、今日は初回に三連打を許しいきなり先制を許し、続く2回にも追加点を奪われる苦しい立ち上がりに。

反撃したい鹿実打線でしたが、小峯投手の長身から繰り出される常時140キロ台の速球に散発の安打に抑え込まれます。8回にはヒットとエラーで同点のチャンスを作るも、後続が押さえ込まれ無得点。

直後にダメ押しの追加点を奪われると、最終回も四球でランナーを出すのが精一杯。

3安打完封負けで4回戦敗退となり、来春選抜大会出場も事実上絶たれました。

 

立ち塞がったのは、またも怪物右腕

今大会の組み合わせが決まり、まず一番の難所はここだろうと思ってました。

城西のエース小峯投手は、一学年上の世代ですら打ちあぐねた好投手。それでもここまでの勝ち方、勢いなら、対等に戦えるのではという期待を抱いてましたが……やはり完全に相手が上手でした。散発3安打では勝てません。完敗という他ありません。

小峯投手は現時点で鹿児島ナンバーワン右腕でしょう。順調に行けば来年のプロ入りが期待できる、そんなレベルの投手です。そんな投手と対戦出来た経験は、間違いなく財産になるでしょう。そうしなければなりません。

思えば、夏の甲子園で立ち塞がったのもまた、金足農・吉田投手という怪物投手でした。

要所でトップギアを入れられた時の速球には手も足も出ませんでしたよね。

鹿実が今後甲子園出場を目指し、甲子園で勝つためには、こういった速球派を打ち崩さなければなりません。今日の試合は、まさにそんな課題を突きつけられたようなもの。

今日出場した選手たちは吉田投手の球を経験してませんし、そういう意味ではいい経験をさせてもらったといえます。

チーム全員で速い、強い球に負けない打撃、スイングを作り上げる取り組みをして欲しいです。夏まで9ヵ月。やれる事は山ほどあるはず。

そして鹿実を倒した城西には、是非とも九州、選抜を目指して欲しいです。

 

収穫の秋

この秋は現状の力不足を突きつけられた結果に終わりましたが、同時に多くの可能性も示してくれたと私は思います。

まず課題とされた投手力は福留投手の台頭が大きかった。今日の試合も敗れはしましたが、3回以降は粘りの投球を見せてくれました。個人的にMVPを贈るとするなら彼です。

また、今日はリリーフで高田投手も登板しました。結果としては失点を許すほろ苦いデビューとなりましたが、強豪校相手に終盤の厳しい場面での登板はこれ以上ない実戦経験です。

まだまだ球威は物足りませんが、やはり柔らかい投球動作には将来性を感じます。身体作りをしっかりして、来年はエースの座を争って欲しいです。

実践的な野球や堅実な守備は今年のチームにも引き継がれており、この点に関しては去年の今頃の先輩たちより良いのではと思うほど。

陰で「谷間の世代」と揶揄されたこのチームですが、彼らの成長次第では今年の甲子園出場チームを超える可能性は充分ある。そう感じさせてくれる3試合でした。

 

さあ、ここからが逆襲のはじまりです。

厳しく長い冬となるでしょう。

来年の甲子園への道のりも、簡単ではありません。

 

ただ、結果はどうなろうとも、私はこのチーム……今年の鹿実野球部がこれからもっともっと強くなれると確信してます。ここからどう変わっていくのか、それを見るのが楽しみで仕方ありません。

その成長過程を、来年も見届けたいと思います。