掴んだ手応え、新たな課題。鹿実、準優勝で九州大会へ。

数日溜めたぶん、まとめてやります。

 

第144回九州地区高校野球 鹿児島県予選

▼4回戦

鹿実 002 063 =12 H17 E0

鹿工 000 000 =0 H3  E2

【投手】

[実]福留、松元、鶴田–玉田

[工]堀脇、政倉–木村

【長打】

二=叶、川口、藤村、玉田、折田(実)中野(工)

 

▼準々決勝

鹿実 301 010 220=9 H16 E0

枕崎 101 001 000=3 H8 E0

【投手】

[実]高田–玉田

[枕]小湊、迫、五十川、前野–福永

【長打】

三=藤村、折田(実)

二=叶、吉木(実)

 

▼準決勝

鹿実 102 010 04=8 H9 E0

鹿商 000 000 00=0 H4 E2

【投手】

[実]福留、松元–玉田、内田

[商]東、東村–北園

【長打】

二=吉木、折田(実)

 

▼決勝

鹿実 000 000 401=5 H10 E1

神村 012 012 01X =7 H9 E1

【投手】

[実]高田、福留–玉田

[神]田中瞬、桑原–松尾将

【長打】

三=田中天(神)

二=吉木、玉田(鹿)古川(神)

 

私が実際に観戦したのは準々決勝枕崎戦だけなので試合経過コメントは割愛させていただきます。

準優勝、そして九州大会出場、この結果以上に選手個々の、チーム全体としての成長を実感出来た事。それがこういう結果として現れた事が本当に嬉しいです。

全員が新チーム結成時と比べ、強く逞しくなってました。

大会序盤は当たりのなかった4番吉木選手も準決勝以降は主軸としての活躍を見せましたし、初戦で不安定な投球を見せた福留投手も4回戦以降無失点でエースとしての役割を果たしました。玉田選手の正捕手としての好守に亘る活躍や、新主将山添選手のリーダーシップ、新たに3番に座った川口選手の打撃も頼もしかったです。

そしてなにより、下級生ながら3試合先発を務めた高田投手。決して安定感のある投球とは言えませんが、彼がチームの戦力として欠かせない存在となった事は非常に大きいと私は思います。強いチームを作るためには下級生世代の活躍が必要不可欠ですし、大型化、スピード化が進む現代高校野球では彼のような投手を育てる事が上を目指すためには必要不可欠。

決して楽な展開ではなかった中で2試合完投させ、決勝も苦しい投球ながら8回途中まで高田投手を投げさせた宮下監督からは、なんとしても彼を一人前に育てあげようという強い意志を感じました。

そして高田投手も、プレッシャーの中良く投げたと思います。

ただ、神村との決勝では彼の課題が全て出た格好となりました。四死球9が示す通り、まだまだ投手として未完成。指にしっかりかかった時の速球の勢いは素晴らしいのですが、その球が安定して決まらない。ボール先行となり無駄なランナーを出し、ピンチを迎え痛打を食らう。その流れを食い止める事が出来ず、チームも勢いを削がれる形になりました。

とはいえこれは彼にとって非常に良い経験になったはずです。神村は県内屈指の強打を誇りますが、それだけでなく簡単にボール球を振らない選球眼や、揺さぶりをかけ投手にプレッシャーを与える強かさなど、総合的に優れたチームです。だからこその9四死球6失点に繋がったといえるでしょう。今抱えている課題をこれ以上ないほど痛感できたのではないでしょうか。こういうチームを倒さない限り、全国の舞台へは立てません。本人も今回の投球は悔しいでしょうし、これを必ず次へ繋げて欲しい。悔しさをバネにして強くなるのが鹿実野球ですから。

さらに成長した姿が観れる日を、いちファンとしても楽しみに待ちたいと思います。

攻撃面でも、この試合では序盤から中盤にかけて得点を奪う事が出来ませんでした。先制して主導権を握り、守備のリズムに繋げるのが鹿実の野球。それが一切発揮されず、反撃が遅くなってしまいました。この部分をさらに磨き上げて行って欲しいです。

神村の県内連勝記録を止められなかったことは残念ですが、間も無く九州大会が控えてます。全国クラスの強豪の実力を肌で感じられる貴重な機会ですし、経験を積んでさらなるチーム成長を期待したいところです。

まだまだ四月。ライバルチームはこれからさらに力をつけていくでしょうし、鹿実もそれに負けるわけにはいきません。これまで通り、一歩一歩着実に、鹿実らしく確かな歩みを進めていってください。

 

このチームは、絶対にまだまだ強くなる。私はそう確信しています。