不屈不撓

久しぶりの更新となってしまいました。前回エントリーから3ヶ月ぶりの更新です。

例年であれば選抜優勝校や九州大会優勝校も決まっており、現在ちょうどNHK旗選抜大会で夏の選手権大会のシード権を争う戦いが繰り広げられていたはず。そんな当たり前の日常が、全世界で猛威を振う新型コロナウイルスによって全て奪われてしまいました。

そして先日5月20日、日本高野連全国高校野球選手権大会とその地方大会の中止を正式に発表。春の選抜大会に続き、一度も甲子園での全国大会が行なわれない異常事態となりました。幼い頃から甲子園という栄光を掴むために努力し、日々苦しい練習に耐えてきた全国の高校球児の無念や悔しさは、どれほどのものかーーー想像するだけで張り裂けそうな気持ちになります。

正直に言うと、私はこの新型コロナ禍の数ヶ月、高校野球が開催できるか分からないという不安から逃げてきました。心のどこかで、大好きな高校野球と距離を置いていたように思います。ブログの更新がなかったのもそれが理由の一つです。本当に辛い思いをしているのは当事者である高校球児や関係者なのに、そこに向き合い切れない私自身の心の弱さを痛感しています。

 


そんな私のもとに、昨日の朝知人から動画付きのメッセージが届きました。

動画の内容は鹿実野球部三年生が保護者に向けたものでした。映っている部員たちは、伝統である朝練「裸練」の姿のまま。甲子園中止が決まった翌日にもかかわらず、彼らはいつも通りの練習を行なっていたのです。

「甲子園は無くなってしまいましたが、自分たちは最後までやり抜きます。最後の大会、県内無敗で終わるので、ご声援よろしくお願いします」と力強く語ったキャプテンを見て、私は感極まりそうになりました。もちろん、甲子園を目指す事すら叶わなくなった無念は、彼らの中で決して消えていないでしょう。

それでも彼らはもう、前を見て目標を定めて歩み出しています。この逞しさこそが、鹿実野球部の伝統・不屈不撓の精神なのでしょう。一回り歳下である18歳の少年たちに、私は人として大事な事を教えられた気がしました。

 


ならばファンである私は、彼らの最後の戦いを全力で応援しようと思います。

現在鹿児島県高野連は、選手権大会の代替大会の開催を検討してます。まだ正式決定ではありますが、こちらはおそらく開催可能という見込みだと推測しています。

この世代で県内無敗に挑戦できるのは、唯一鹿実だけ。三年間の努力の成果を、仲間たちと培った絆の強さを、伝統を背負い続けたプライドを、全て見せつけてください。

 


このチームの最期を見届けるまで、私は決して「お疲れ様」とは言いません。