第147回九州高校野球鹿児島県大会
3回戦
鹿児島実15ー0出水
鹿実04920=15 H11 E1
出水00000=0 H0 E1
*5回コールド
まずは鹿実野球部の皆さん、初戦突破おめでとうございます。
一年ぶりの開催となった九州大会に繋がる県大会ですが、無事開幕に漕ぎ着けたとはいえこの新型コロナ禍が続く中での開催。当然一般客の観戦は禁止されており、私もこのスコアやKKBの映像以上の情報は持ち得ていません。なのでその少ない情報から簡単な感想を述べて行きたいと思います。
◆攻撃的打線のリードオフマン
まず私が着目したのは特徴的な打順。宮下監督は先月の新人戦に引き続き、平石匠選手をトップバッターに据えてきました。
彼はフルスイングが持ち味の右の強打者で、昨年の一年生大会でも4番を務めたように通常は主軸を期待されるようなタイプ。私はどちらかと言えば俊足巧打の左打者である井戸田直也選手がこの打順を任されるのだとばかり思っていました。
私はこの打順に、宮下監督の強いこだわりがあるように感じます。
平石選手はあのフルスイングを見て分かる通り思い切りの良さが魅力で、一振りで流れを作れる打者です。そのような打者に攻撃の先陣を任せる事で、相手バッテリーの出鼻を挫き初回から主導権を握りたい。そう言った思惑があるのではないでしょうか。宮下監督自身も、かつては甲子園で先頭打者ホームランを打った強打の1番打者でした。ここ数年でも2015年の有村健太選手や2016年の追立壮輝選手のように、強打の1番の成功事例はあります。この打順が機能すれば高い攻撃力が期待できるでしょう。
もちろん、それには不動の3番打者の城下拡主将や新人戦で本塁打を連発した小倉良貴選手など、主軸の活躍も重要になってきます。
次の試合でもこの打順で行くかは分かりませんが、個人的にはこの攻撃的ラインナップを支持したいです。
◆チーム活性化に欠かせない存在
今年の二年生は昨年の一年生大会で世代の頂点を体験してはいますが、この学年の部員数は20人未満とここ数年で最少。こう言ったチーム状況では、一年生の活躍も重要になってきます。
私はむしろこの状況をプラスに考えています。
ここ数年の鹿実は常に上級生中心のチームが作られてきました。決してそれが悪いとは思いませんが、厚すぎる選手層を跳ね除けられず、自分たちの代が上級生になるまで試合経験を積むことができず伸び悩む選手がいた事もまた否定できません。
能力のある下級生が試合に出る事ができて、彼らの経験値の不足を上級生がカバーする、と言った状況が理想ではないでしょうか。もちろん実力主義の競争があった上で、というのが前提です。
試合結果を見る限りでは、永井琳選手や森山遼耶投手といった下級生選手がしっかり活躍してました。また、一年生ながら守りの要のショートを任された駒壽太陽選手の存在にも目がいきます。
真の一体感、チームワークは、学年を越えた競争があってこそ生まれるもの。後輩たちが存在感を発揮し、先輩が奮起する。そういった好循環を一年通して作り上げていってほしいです。
◆次戦、試される真価
当然、初戦を勝って一息。。。とは言ってられません。
何せ、次の相手は鹿児島城西。現時点で甲子園を経験した県内唯一のチームであり、この夏三年生たちの夢を打ち砕いた相手。当時を経験したメンバーも多数残っており、強敵である事は間違いありません。経験値という点では、やや相手が上手かもしれません。
ですが、決して相手を必要以上に大きく見る事は禁物です。かと言って油断するのはもってのほか。
過剰に相手を意識せず、地に足を着いた戦いをしてほしいと思います。
何より、この夏厳しい練習を乗り越えてきた自分たちを信じて戦えば、結果はついてくるはず。
厳しい相手ですが、私はいちファンとして次戦も勝利を期待してます。