魔の9回、成す術なく……鹿実野球部、選抜への道断たれる

◆第149回九州高校野球鹿児島大会

二回戦

鹿屋中央 000 100 006=7

鹿児島実 100 000 010=2

【投】

鹿屋:村山、永田

鹿実:井上、筏、久留須

 

速報を見ながら気が気でなかった今日の午後。8回裏の勝ち越しの報を聞いて安堵した束の間の悲劇。

使い古された言葉で「これが野球の怖さ」という表現がありますが、まさにそうとしか言い様のない展開でした。勝ち試合の9回のアウトを捕る事が、これほど難しいとは……

現時点で冷静に振り返る事も、この結果を受け入れる事も出来ているかどうか怪しいです。しかし、だからこそ今の感情が消えないうちに綴っておこうと思います。

 

選抜が断たれた、九州を逃した、樟南とのライバル対決を逃した……そんな事以上に、この一戦をこういった試合展開の末に敗れてしまった事が率直に悔しいです。相手は強豪鹿屋中央、当然簡単に勝たせてくれない事も理解していたつもりです。しかし、数人の主力を欠いていたとはいえ地力では優っているはず、と心の中で思っていたのも事実。当然、勝負はそんなに甘くはありませんでした。この春の決勝で破った鹿屋中央が、その時のリベンジに燃えていないわけがありません。今日の9回の逆転劇は、まさに春の返り討ちといったところでしょうか。

やるかやられるかが勝負の世界。今回は鹿実が「やられる側」となってしまいました。ならばやるべき事ははっきりしています。この悔しさを忘れず力に変えて、大一番でやり返す事。この敗北こそが、今年の鹿実の進むべき道標となる事でしょう。

最終回に登板し、なかなかアウトを取れないまま敗戦投手となった筏投手、そして慣れない捕手としてその場面の当事者となったキャプテン駒壽選手、何よりここまで苦しい試合を強いられる要因となった打線の得点力不足。反省点は山ほどあります。そして、それを鍛え直す時間もみっちりあります。

この試合で今年の鹿実の野球が見納めになるのは残念ですが、捲土重来を期して立ち上がり反撃に転じる皆さんの戦う姿を期待して来春を待とうと思います。

 

悔しさを知るからこそ、強くなれる。