ここからが正念場

第103回 高校野球選手権鹿児島大会

◆二回戦

出水商  000 00=0

鹿児島実 024 04x=10

【投ー捕】

出商:中野ー水泳

鹿実:森山ー城下

【長打】

二:平石、板敷、下山、濱田(鹿実

三:藤田(鹿実

三回戦

鹿屋工  000 000 0=0

鹿児島実 121 023  X=9

【投ー捕】

鹿屋:上鶴、内西、田村ー安達

鹿実:大村、赤嵜ー城下

【長打】

二:下薗(鹿屋)、平石、福崎、松下(鹿実

 

初戦を含めると3試合連続の完封コールドで、見事ベスト8に駒を進めた鹿実野球部。

この二回戦、三回戦では初戦で当たりのなかった平石選手の活躍も光り、守備でもチームに貢献していました。チームの核である城下主将や井戸田選手にも当たりが続いており、日替わりで起用されている松下選手、濱田選手らのバイプレーヤーたちの活躍もチームに勢いをもたらしています。三回戦ではここまで温存してきた赤嵜投手もようやく実戦投入し、打者4人相手に3奪三振と健在ぶりを見せつけてくれました。

ここまでは順調。しかし、本当に苦しい戦いはここから。今大会において一度も苦戦を強いられてない鹿実としては、次の試合が最初の山場になると言ってもいいでしょう。ここでもう一度、チームのギアを上げて欲しいところです。

 

最も警戒すべきは、挑戦者

次戦となる準々決勝の相手は、春季県大会準決勝で降した大島です。このブログの当時の記事でも「快心の勝利」と述べたように、私はあの試合が今季の鹿実にとっては最も試合内容のある勝利だったと思っています。ただし、あくまでもそれは過去の事。鹿実に敗れた大島は、あの敗戦から鹿実を倒す事に執念を燃やしてくるはずです。

鹿実を含め、多くの強豪校は異口同音に「我々は挑戦者だ」と、自らに言い聞かせるように語ります。それは、勝負事において最も強いのはチャレンジャー精神を持ち続ける者であり、多くの強豪校は闘志を燃やして向かってくる挑戦者の恐ろしさを毎年身をもって体感してきているからです。鹿実が今季二度戦い、一度も勝利する事ができなかった鹿児島城西はベスト8を前に敗れ去りました。全国各地でも甲子園常連校や有名校が大会序盤で敗れたという事実が大きく取り上げられています。「波乱」「番狂わせ」「高校野球は何が起こるかわからない」という定型文は、最早毎年この季節の風物詩。しかし私は、強豪校が敗れたという事実をそんな言葉で片付けたくはありません。高校野球に限らず、勝負事はやってみないと分からないのは当然であり、多くの高校球児たちは毎日「自分たちより強い相手を倒すにはどうすればいいか?」と悩み、考え、努力しているからです。野球は運や不確定要素が多いスポーツとも言われますし、幸運に恵まれた末に掴む勝利がある事も否定はできません。ですが、勝利という究極の幸運を掴めるのは、最後まで諦めず努力し戦い続けた者です。だから番狂わせ、波乱といった出来事は、まぐれや偶然ではなく、必然の結実だと私は考えます。

今回対戦する大島は初戦こそ苦戦だったものの、戦う毎に試合内容を向上させてきています。ここまで苦戦を知らない鹿実にとっては、これ以上なく手強い相手になる事は間違いないでしょう。

その上で私は、鹿実がその相手をあらゆる面で凌駕し、最後に「必然の勝利」を掴んでくれる事を期待してます。このチームはまだまだ強くなれるはずだと確信しています。今年の鹿実野球部が積み重ねてきた日々、努力、経験は決してどのチームにも負けるようなものではありません。いくつもの悔しさと苦労を乗り越えて、ここまでたどり着いてきたチームです。この試合を乗り越えてさらに成長し、その先の夢の舞台の土を踏む選手たちの姿が見たい。そう強く願っています。

だからこそ引き続き鹿実野球部皆さんの勝利を願い、声援を贈らせていただきます。

 

さあ魅せろ、燃やせ、鹿実の魂!!